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慣れが自動化を生み出すことについて [ヒューマンエラー]

いつものように仕事から帰ってきて、自宅ガレージにバックで車を入れようとしたときのことです。
ガシャン、・・・えっ?
ここにある筈のないものが・・・・・・。
アコーディオン式のフェンスが、いつもは折りたたんでいたのですが、その日は植木屋さんが入っていて、隅の掃除のために開いたらしいのです。
実は同じことを何度もやっていて、あるときは工事用の資材が、あるときは自転車が、という具合に、その度にぶつけていたのです。

自宅手前の十字路で向きを変え、バックで下がってくる。車を右の角に合わせながらタイミングよくハンドルを切っていく。そこだけをうまく出来れば、もう一回切り替えしてスムーズに入れられる。

何年も同じ事をやっているうちに、そこしか見なくなっていた。
普段は自分しか動かさない場所、いつもの場所で、いつものように入ってきて・・・・。

慣れが自動化を生んでしまう。
いつも通っている道、いつもの車で、いつもの時間帯、このような状況で運転していると、周囲に関してそれほど気を使わなくても比較的楽に運転出来てしまいます。

しかしこのような時に起こる事故が少なくないようです。
いわゆるうっかりミス。

私達は初めての場面や初めての作業、操作にはとても気を使います。全体がどのように関係していて、どの程度の加減でどれだけ動いてしまうのかが、自分の感覚としてはまだ掴めていません。さらにもっと微妙な力が必要、というときは慎重にゆっくりゆっくり進めていたと思います。

自動車の運転も幾つもの細かい動作の積み重ねで、初めて運転した時の事を思い出すと、一つ一つの動作が上手く繋がらなくて、ギクシャクしたのを覚えていると思います。
そのような時は、運転に対する怖さがあって、緊張感を持って周囲を見つめていたと思うのです。

そんな事を繰り返すうちに、やがてスムーズに動きが繋がってきます。力の入れ具合、ちょっとした加減でどれだけ動いてくれるのか、これらのことが、いちいち考えなくても自然に出来るようになってきます。

自動化。体が覚えてくれるので、私達は意識したり、考えたりする必要もありません。

こういった現象は運転の感覚や注意の向け方、意識づけ、といった領域に影響を及ぼします。

もちろんそのことが、操作が楽に出来たり、効率良くこなせたり、周囲の状況をより多く把握できる、というメリットもあります。
しかしそのマイナス面が出てしまうと、大きなミスを犯してしまうことにも繋がりかねません。

しかも、ベテランになればなるほど、ミスを犯す危険性が高くなります。

これは運転に限らず、人間行動全体について言えることであり、ヒューマンエラーの問題でもあります。人間である限り避けられないのかもしれません。

人は慣れてくると何かを省略したり、目の前の状況から意識が離れてしまったり、ひとつのことをやりながら他の事を考えてみたり、と。
毎日同じ動作や作業の繰り返しだと、体だけ動かして頭は別の事を考えてしまう。
あるいは緊張感が足りなくて、何も気にせず不確定な状況に入り込んでしまう。
さらに見たつもりになって、一部分しか捉えていなかったり。

慣れが生み出す死角。
本来は意識して注意を向けないと危険な状態になってしまうにもかかわらず、安心感からそれが疎かになってしまいます。

しかし、事の重大性を考えると、何か対策が必要だと思うのですが。

そこには本人の、その状況に対する捉え方が大きく影響しているようです。


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