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産業カウンセラー新育成制度について [雑感]

今回は、いつも書いている事故防止や中国問題とは関係のない記事になります。

自分の所属している産業カウンセラー協会で、新しい資格制度を作ることになりました。そのことについて、意見表明の場として使わせて頂きたいと思います。

今回、会員からの意見表明の場として、支部宛に意見や質問を送付するという手続きがありましたが、直接には何の回答もなく、それが本部においてどういう形で検討されているのか分かりません。

また、すべての会員に影響を及ぼすものであるにも関わらず、会議や検討のプロセスが公開されないことは、極めて不透明であると指摘出来ます。

この点は、時の政権が尖閣諸島漁船衝突のビデオ映像を、国民に対して隠し通そうとする姿勢とよく似ていると思います。

さらに、会員のための組織でありながら、民主的手続きが欠落しているのではないかと思います。6月の本部提案から現在に至るまで、トップダウンの決定方式で押し通そうとしているように思われます。

会員は協会から雇用されている訳ではありません。民主的手続きでは決まるものも決まらない、という人がいましたが、乱暴なやり方で無理やり資格制度を変更しても、会員がついてこなければ、今後の発展は望めないだろうということです。

協会は会員に対して、資格制度の変更が何故必要なのかを明らかにした上で、会員からの了解を取り付ける必要があるでしょう。そのためには5年かけても良いから、土台となる部分をしっかり議論するべきです。

たった1年で決定にまで持っていこうというのは、会員不在の独断専行でしかないと思います。

少なくとも、全会員及び有資格者の賛否を問い、8割以上の賛成を持って、初めて着手出来るものと考えます。

このような手続きを通して新たな資格制度が出来るのであれば、私は大いに歓迎したいと思います。

協会役員が自分たちの方針に自信があるのなら、堂々と会議のプロセスを公開するべきでしょう。

月刊の会報に賛成と反対、提案を掲載し、さらにインターネットの掲示板を使って会員が自由に投稿出来るようにすること、質疑応答の場を常設すること、などを通して議論を戦わせることが、民主的な組織に相応しいのではないでしょうか。

そうすることで初めて、会員は『我々の組織である』という一体感を持つことが出来ると思いますが如何でしょうか。

今までの協会は、残念ながら事なかれ主義の塊のようなもので、会報には本部の意向しか載らず、反対や疑問の意見は近年読んだこともありません。この点について、執行部には大いに反省してもらわなければいけません。

もし役員の人達が上記のような事すら思い浮かばないとしたら、辞めてもらった方が良いでしょう。

ただ現状では、14年間会費を納めてきたけれど、『カウンセラーのための組織がこれでは会員を辞めたくなっちゃうよ』と言いたくなります。

協会本部の役員には、風通しがよく、自由に議論が出来る組織風土をぜひ構築していただきたいと思います。

会員と組織が一体となって、大きく発展することを願っています。

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※本部及び支部に送付したものです。

※不特定の読者に誤解を与える恐れのある部分3か所を削除してあります。

本部提案『産業カウンセラー新・育成制度』に対する意見


ここでは大まかな制度の持つ問題とシニア(エグゼクティブ)カウンセラーの問題に絞って述べる。
野中 寛司


〇エグゼクティブカウンセラーって何?

シニアカウンセラーの称号が出来てまだ何年も経っていないが、今度はその上にエグゼクティブカウンセラーなるものが登場しようとしている。

 シニアの名称はいずれ無くなるということ。資格とはいうまでもなく、その人の知識と技能を裏付けてくれるものであり、周囲から見て、それなりの研修を積んで、能力と経験を持っているであろうことを前提にしていると思う。


しかし、その資格名称が何度も変更されたらどういうことになるであろうか。実は資格というのは、顧客や利用者、そして社会一般に広く認知されてこそ、通用力を持つのではないか。一度定めた名称は、余程のことがない限り変えてはいけない。

今回の資格制度が余程のことになるのかどうか、甚だ疑問である。


ところで協会では、何度も繰り返し資格名称を変更してきた。シニアの前は中級産業カウンセラー、その前は厚生労働省認定、労働省認定、さらにその前は1級、2級の名称を使っていた。何とも目まぐるしい。

私が取得したのは厚生労働省認定中級産業カウンセラーだが、その後、協会認定中級産業カウンセラー、そしてシニア産業カウンセラーへと名称変更がなされ、私の資格はシニアと読み替えるのだという。


まるで言葉遊びの如く、新しい名称ばかりが独り歩きしてしまう状況に、私は不安を覚えるのである。これだけ目まぐるしく名称が変わって、顧客や利用者や社会から広く認知してもらうことが本当に出来るのだろうか。

さらに数年経ったら、また新しい名称が生まれるのだろうか。

このような理由から、協会は有資格者の地位や利益を擁護していないことは明白である。一日も早く、会員のための組織に生まれ変わってほしい。

もしそうでないというのなら、全会員及び有資格者から意見を求め(代議員ではない)、8割以上の賛成を要件にして実施すべきだと思うが如何だろうか(8割とは殆ど賛成の意)。


本部の独断専行では、会員の意識との間で乖離が生じ、とても協会の発展は望めない。

〇何のために変更するのか


 ここに何を書けばいいのか思い浮かばない。本当に何のためだろうか。

〇研修が目的なのか協会収入が目的なのか

協会は会員の金銭的負担をどう考えているのだろうか。養成講座収入が減ったというが、新たに研修講座を増やして収益を確保しようというのは、考えたくもないことだが。


研修を促進するためには、まず受講者の費用負担を低減させること。そして受講者が何を望んでいるのかを、的確に把握すること。この二つがなければ、新たな資格を取得しようとする会員は増えない上に、絵に描いた餅に終わってしまうだろう。


嘗て私が中級委員会に参加させてもらった時、向上訓練会場に足を運んで皆さんの意見を聞かせてもらったことがある。

そこで出たのは、『受講料が高すぎる、何とかして欲しい』が大多数、他に『中級を取っても未来のビジョンが見えてこない』、『知名度アップの働きかけと普及活動が必要だ』、『支部や他の研修を(中級の要件として)認めて欲しい』など。

少ないデータなので一般化するつもりはないが、全体の意見からそれほど外れていないのではないか。机の上でいくら考えても、会員の顔が見えないところで会員のためのカリキュラムなど、作りようがないと思うが如何だろうか。

・・・・・・以下削除・・・・・・・・・

〇皆が同じカリキュラムを受ける必要はない。

具体的な問題として『どういう職種の』、『どういう資格を持った人に』、『何が足りないのか』、これを明らかにすべきである。明らかになった時には、自ら協会に出向いて教えを受け、真摯に耳を傾けたいと思っている。


統一カリキュラムを導入した時に、ある人には必要だが、他の人には不必要というようなこと、その人の生涯にわたる実践の中で活用する事はないであろう事柄が、あっても良いのか、ということである。

カウンセリングを職業とする者にとって実践する場は多種多様であり、地域社会を対象とする者、出前、出張カウンセリング、電話、メール、社内、社外カウンセリング、引き籠り、ニート対応、スクールカウンセラー、ハローワーク、OP,交通事故防止、・・・。


とても数えきれない程に、活躍の場が広範かつ複雑になっている。社会活動の専門分化が進めば、それに伴ってカウンセラーの専門分化も進むことは当然だろう。それ自体、大変喜ばしい現象であると思う。


ところで、これらの領域を一通りカバーできる研修とはどのようなものだろうか。
一部の人達には、カウンセリング以外の特別な知識や経験が必要であるし、他の人達には必要としないだろう。

企業訪問をする人達ならプレゼンテーション能力や営業交渉力が必要だが、訪ねて来る個人のみを対象とするなら必要ないだろう。データ分析力を必要とする人があれば、習得しても生かす機会がない人もいるであろう。


これらのことから、カウンセリングや心理学、産業の知識以外にカリキュラムを増やすことには反対である。その職務にとって必要なものは、自分で選択して学ぶべきだからである。


〇研修を受けたから身につくというものではない。


また、絶えず研鑽することと、専門カリキュラムの受講は必ずしも結び付かない。専門カリキュラムは、一通り受講して修了すればそれで終わってしまい、現実問題として同じものを繰り返して受講することは、時間及び金銭的事情からほとんど考え難い。

研鑽というのは、『使うかどうか分からないが幅広くどんなことでも出来るように』というよりは、『いま、自分が直面している課題を掘り下げていき、足りない部分を補う』ということの方がはるかに多くの成果をもたらしてくれると思う。

その意味で、何を学び、吸収するかは、各自が自分で判断し、選択するものであると考える。統一カリキュラムは必要最小限のものである方が望ましいだろう。


〇協会講師の質の問題をどうする

日々現場で実践しているカウンセラーに対して、各々のケースに合わせた効果的な指導がどれだけできるのか。これも疑問である。繰り返すが、カウンセリングの領域は広範に及ぶ。実践レベルの人に対して統一カリキュラムでは役に立たないだろう。

・・・・・・・・以下削除・・・・・・・


〇会員の声に耳を傾けて欲しい

 今回の本部提案をまとめるに当たって、どれだけの会員から意見を求めたのかが、気になるところである。電話口で担当者は、会員から構成される支部長会議において決定されたから会員の声だという。

しかしこれはおかしい。2万人からなる会員の声を10数人しかいない支部長が代弁できる訳もないだろう。経営者である支部長が一般会員と同じ利益を持つと考えない方が良い。

彼らはいつ、会員から意見を聞いたのだろう。わたしはまだ、質問されたことはない。
一旦まとめられた提案は、作業が膨大になるためなかなか変更できないようになっている。

反対の声が上がったら、一部を手直しすることで会員の意見を盛り込んだことにしようとするのではないか。そうだとすれば、実に安直である。


現在は有資格者4万、会員2万だという。・・・・以下削除・・・・・・


また、有資格者と会員の数の開きは、大きな問題を我々に突き付けるものではないのか。資格取得と入会がセットになっていない時期があったにしても、である。


単純に考えれば、会員になることに魅力を感じない人たちは少なからずいると思うのだが、今こそ、会員との関係を見直すべき時ではないのか。


ではどうすれば良いのかと聞かれると思うので、身近な例を1つ挙げる。いつも同じようなテーマが並ぶ全国研究大会分科会であるが、もっと創意工夫して様々なアイデアを採用するべきだろう。

役所の都合で分科会のテーマが決められている側面もあるようだが、前例のないものを認めないなど、硬直化した意識を少し変えてみたらどうだろうか。


私が企画委員として、各種療法の体験広場を開催した横浜大会(数年前)のことをお話しする。当初、企画段階での反発は予想外に大きく、前例がないとして実現が危ぶまれる場面すらあった。

喧々諤々の議論の中、何度も対立を繰り返し、ようやく体験広場が認められることになった。それだけに受講してくださる会員がどれだけいるかが心配で、重圧を感じる日々を過ごしていた。

いよいよ当日、思ってもみないくらいの来場者に出会うことが出来、直に頂いた評価は何より嬉しい宝物となったのである。関係者には至らぬことで多くの迷惑をかけたと思うが、当時ご協力いただいた皆さんに改めて感謝申し上げたい。前例がないからこそ、やってみる価値があると思う。


ほんの一例だけ挙げたが、私が見る限り課題は沢山あると思う。
会員が協会に求めているものは何なのか。それは、協会がどれだけ耳を傾けられるかどうかにかかっている。

会員である我々の可能性は、無限に開かれていると信じるからこそ、ここで敢えて苦言を呈することにする。また、協会が新たな資格やカリキュラムで会員を振り回すのではなく、身の丈に合った会員のための組織を作り上げていただくよう要望する。

私は現在5つの団体に所属し、3つの資格を日々の業務に活用している。その中で一番大切にしているのは産業カウンセラー資格である。

何といっても手作りの勉強会を作り、そこから学び、成長してきたという体験、いろいろな役割を与えてもらって1つずつ能力を高めさせていただいた体験。これらのものは他では得られない貴重な信念を自分の中で形成していると思う。


だからこそ、組織がどんなに大きくなっても会員と協会は密接であってほしいのである。

 〇資格付与の将来

いずれ資格認定機構を作ることで、有資格者による協議の場とし、協会の関与を弱めていくことが良いと思う。


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