相手の規制はこじ開けるが、自分は拘束されないアメリカ [tppはメリットがあるのか]
廣宮孝信氏のブログに、TPPについて重要な指摘があるので要点だけ紹介したいと思います。
詳しくは、こちらへ!
米国は他国との貿易協定を履行する際、国内で実施法を定めています。
それによると、アメリカは米韓FTAにとどまらず、NAFTA(北米自由貿易協定)以降、世界貿易機関(WTO)協定も含め、締結したすべての貿易協定に実施法があり、いずれも『合衆国法の優越』を同じ条文で定めています。
ところが米韓FTAの韓国は、というと、国際条約が既存の国内法に優先する規定になっています。(ウィーンの条約法条約では、国際条約が各国の国内法より優先することを決めているため、大半の国では条約が優先する。日本も同様)
つまり、韓国側のみが国内法を改正して米韓FTAに合わせる義務を負い、米国は国内法と矛盾する場合には国内法を優先し、FTAの義務を負わないことになります。そんなことが許されるのか、不平等ではないのか?と言っても締結してからでは、もう遅いのですね。
同様の懸念は、今問題としているTPPにもあります。
米韓FTA実施法102条a項1は、『合衆国のいかなる法に反する協定のいかなる条項も、またそうしたいかなる条項のいかなる人または状況への適用も、効力を有しない』と規定。
同法102条b項1は、米国のどの州法も、協定に反するという理由で無効とされることはないとしています。
つまり、合衆国法も州法もFTAより上位にあって、国内法が優越することになります。
ここからが重要です。TPPで考えるとアメリカの場合は、米国国内法 > TPP協定
一方日本の場合は、TPP協定 > 日本国内法 ですから、
米国内法規 > TPP協定 > 日本国内法規 となります。
これを言い換えると
米国国民 > TPP協定 > 日本国民 ということにもなるでしょう。
さらに、TPPを推進しているのは多国籍企業なので、
多国籍企業 > 米国国民 > TPP協定 > 日本国民 となるわけです。
何かのジョークではないのか!
いいえ、今のままTPPに参加すればそうなる訳です。
以上、廣宮孝信氏ブログから紹介しました。
☆官僚主導で首相官邸、マスコミまで誘導している?
関岡英之氏の報告から(so-tv闘論、倒論、討論3月16日、文責は筆者)
昨年の衆議院選挙で自民党が出した政権公約『J-ファイル2012』TPPについて
1 政府が、『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する。
2 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
3 国民皆保険制度を守る。
4 食の安全安心の基準を守る。
5 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
6 政府調達、金融サービス等は、我が国の特性を踏まえる。
1は関税に関するもの、他の5項目は全て非完全障壁に関するもので、自民党もTPPは単に関税撤廃だけではなくて非関税障壁、つまり規制緩和とか構造改革の継続版だと、これが日本の国益にもしかしたらマイナスになるかも知れない、という問題意識があるから、この6項目を公約に掲げたわけですね。
それで2月7日に自民党の森山裕先生が座長をやっている、『TPP参加即時撤回を求める会』という議員連盟ですね。その集会を傍聴させて頂いたんですよ。
その時の最大の争点は、政府の側がこの6項目を日本政府の基本方針だということを認めるかどうか、ということだった。その場には外務省の審議官と経済産業省の審議官が来ているんです。TPPを推進する側の役人の代表が来ていて、
自民党の国会議員たちがその二人に対して、猛烈に迫るわけですね。自民党はこの6項目を公約に掲げて政権復帰を果たした。つまりこれが民意なんだから、これが政府の方針でなければおかしい、と。この6項目はセットである、と。
何故か新聞の報道を見ていると、1項目、関税の問題だけが独り歩きしていて、そこさえもし、クリアされれば、つまりアメリカの側が聖域を認めれば、もう自民党は反対する理由がなくなって、交渉参加の段階に突き進むのはおかしい、と。
反対派の自民党議員たちが、盛んに役人たちに詰め寄るわけです。で、これを認めるか、6項目セットを認めるか、というと、役人が絶対認めないわけですね。のらりくらり答弁をして、質問をされると、『聖域なき関税撤廃』を前提とする限り交渉参加に反対です、というのが政府の方針でございます、と。
同じ答えを執拗に繰り返すわけです。自民党の反対議員たちは当然激昂して、さらに詰め寄りますよね。そうすると役人たちがひそひそ相談して、『聖域なき関税撤廃』を前提とする限り等の問題です、と言って、残りの5項目を、等という一文字に、からめ取って、乗り切ろうとするわけですね。
あれは非常に異常な光景に見えました。役人が与党の国会議員の要求に従わない、徹底的にそこで抵抗しているんですね。それがまず驚きだったんですけれども、
翌日の新聞を見てみたら、まったくその場で起きたことと違う報道になっているんですよ。たくさんのメディアが取材に来て、オープンの会でした。私のような部外者まで傍聴できたわけですからね。
そこで新聞を開けてみると、『反対派の自民党議員たちは、この一番目の項目を確認した』と、いう話になっていて、5項目の話なんかほとんど出てないんですね。つまり、マスコミはその場にいて、百も承知でありながら、まったく違う報道をして、国民に誤った情報を流している、というのを現場で目の当たりにしたんです。
これは一体何なんだろうな。つまり、マスコミは明らかに役人と結託している。これは役人の方針なんですよ。5項目については触れたがらない、質問されても答えない、絶対に認めない、というのは役人が突っ張っているんです。それに関してマスコミが100%同調して、これは保守の産経から左翼の朝日まですべて同じなんですね。
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