SSブログ

交通心理士会大会の参加報告1 [事故防止]

平成30年10月27日、28日、京都にて開催された『第15回交通心理士会大会』(京都市国際交流会館)に参加してきました。交通心理士5.JPG


これからの交通事故防止を考える際、大変参考になる内容がありましたので、以下感想とともに記録しておきたいと思います。


大会発表論文集及び口頭発表から引用しますが、不正確な聞き取りもあるため文責は筆者にあります。


講演Ⅰ 『高次脳機能障害と運転について』 

             藤田佳男 千葉県立保健医療大学准教授


平成26年、道路交通法改正を機に、精神疾患やてんかんなどを『運転に支障のある一定の病気』として免許更新時に申告を義務付けている。


医療機関ではこれ以降、運転が可能かどうか診断書を作成する機会が増加している。

作業療法士は病院で認知機能や運動機能の検査、治療、訓練を行っており、運転の3要素である『認知、判断、操作』も指導の対象となる。


また、検査のみで運転適性を判断することは容易ではないため、指定教習所との連携の重要性は高まっている。


作業療法士が扱う疾患で最も多いのが脳卒中(脳血管障害)で、一側の運動麻痺や感覚障害に加えて高次脳機能障害が合併し、障害が残る場合も少なくないという。


高次脳機能障害の症状は様々で、多いものは失語症、注意障害、記憶障害、行動と情緒の障害、半側空間無視などがある。さらに処理速度(時間がかかる等)の問題も生じることがある。


ところで高次脳機能障害とは、脳の損傷によって生じる記憶、注意、思考、言語などなどの認知障害を指し、脳血管障害、頭部外傷などによって引き起こされる。


筆者の感想


高次脳機能障害については以前から知っていましたが、作業療法士が運転の指導までしていることは知りませんでした。脳機能の障害によって片方の視野が見えなくなる(欠けてしまう)こと、

つまり左半側失認の場合、例えば路地から出る時に、右からの自転車は発見できても左からくる車に気が付かない事がある訳です。


もう一つ脳機能障害による処理速度の遅れが重要な問題を含んでいるように思います。まず考えられるのは咄嗟の緊急回避が出来ないのではないかという事です。


車を運転する場合は車やバイク、自転車、歩行者など他の交通参加者との間で色々な危険が起こりうる訳ですが、急停止や急ハンドルで事故が起こるのを回避しなければなりません。情報処理に遅れがある場合は判断、操作が遅れますので、危険回避が出来るのかどうか、と思ってしまいます。


最近増えてきたのが、やたらと遅い車です。後ろに続いて走っていると、発進するのが遅い、加速も遅い、速度も30キロ程度でノロノロ、左側方を走る自転車を追い越せない、右折時に対向車の来る間隔が空いているのに右折できない、などの車をよく見かけるようになりました。


もしかしたら高次脳機能障害による処理速度の問題かもしれません。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。