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仕事を投げ出してしまうと [ヒューマンエラー]

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仕事を投げ出してしまうとどうなるか。

いやいややっていると

デスクワークならうっかりミスが頻発するでしょうが、いくら間違えても後からやり直せば穴埋めは出来るでしょう。

では、もし危険ととなり合わせの仕事だったら?

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もう辞めることにしたので、後はどうでもいい。

やっと次の仕事が見つかったけど、今月末まではこの仕事をやるように言われている。

どうにもやる気が起きない。

身が入らない。

心は上の空、という状態。

特に危険のない業務なら良いが、運転を投げ出すとどうなるか?

どうせ辞めるんだから、一生懸命にやってもしょうがないだろう。

いい加減、うんざりしているのに。

慌ただしく次から次へと急がされても、心はすでに此処にはないようです。

事例1

彼はルート配送のドライバー。

給料が安くて、こき使われる上に、上司や仲間ともうまく合わない。

次の仕事をいろいろ探して、やっと今より条件の良いところを見つけてきた。

すぐにでも辞めたいところだが、会社は代わりの人を入れるので今月一杯やって欲しいという。

いつものように会社に行くと、山盛りの荷物で大変そう。何時に終わるのだろうか。

道路も混んでいるし、余計に時間がかかりそうだ。

こうなると、いつもの仕事ではあっても、うんざり気分が重なって嫌気がさしてくる。

午後3時頃、交差点を右折時に、自転車と接触事故を起こした。

事故の概要

聞いてみると、対向車の切れ目を縫って右折し、横断歩道に差しかかった時

左から渡ってくる歩行者に気を取られ、右からスピードを出して走ってくる自転車に気が付かなかったという。

自転車がいるのは知っていたが、少し遠くにいた。歩行者がこちらに渡って来るまで間があるので、今のうちに行こうとしたら

思ったより早く自転車が来てしまったという。

ぶつかるまで自転車の動きは見ていない。

さらに聞いてみると、『いつもは横断歩道の手前で両側を確認しているのに、この時は出来なかった。』

『時間が30分くらい遅れていて、急いでいた』

『遅れると顧客が商品を引き取ってくれないと思い、焦りの気持があった』という。

さらにもう少し詳しく聞いてみると

『今月で辞めるつもりだったので、もうどうでもいい、という気持ちがあり、運転に身が入らなかった』

『次の仕事に行くんだと思うと、どうしても運転に集中できず、頭の中は次の仕事のことばかりだった』

『そのために、いつもの確認が抜けてしまったと思う』と語った。

もちろん、これは運転に嫌気がさしてしまった人のことですから

『最後まで大事にしっかりやろう』、という人には当てはまりません。

『この仕事を辞める』という状況に対して、本人がどう感じるかにかかっていると言えます。

※運転者のプライバシー保護のため、複数の事例を重ねて一つの事例としています。従ってこの通りのケースは実在しません。

体験している人は多い

私にも、事故にはなりませんでしたが、このような体験はあります。

長年過ごしてきた運転の仕事を辞め、事故防止の業務に転職が決まった時から、どうにも身が入りませんでした。

頭の中は、次の仕事のことで一杯です。

自分が去っていく仕事に対して、あまり思い入れを感じることができません。

特に、安全確認とか商品の確認とか、細かいことになるとやはりダメです。

意識してひとつひとつやっていかないと、簡単に見過ごしてしまいます。

幸い自分の場合は、事故防止をするからには自分が事故を起こしてはどうにもならない、という思いがあって切り替えることが出来ました。

おかげで、どういう状況でどんな気分になるかを、身をもって知ることが出来ました。

仕事を辞める直前の事故が多い

多くのドライバーさんの話を聞いて思うことはこれです。

実は辞めようと思っていた。

いい加減に嫌気がさしていた。

次の仕事のことで、頭の中は上の空。

辞めるのだから、もうどうでもいい。

データを取ったわけではありませんが、個別に聞いてみると多く聞かれることです。

如何に人間が気分に左右されやすいかを表していると思いますが、如何でしょうか。

会社と管理者は、個々のドライバーにしっかりケアをしていく事が必要です。

辞めていく人間にも、『最後までしっかりやろう』と思ってもらえるかどうかは重要な項目だと思います。

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